病院を母体とする県内最大規模の介護施設「ルネス二之沢」職員定着率向上を目指す!事務長インタビュー
written by 伊藤愛結
ルネスニ之沢
ルネス二之沢 事務長・有恵和彦さん
北海道出身。物腰やわらかく、優しい語り口が印象的な紳士。 大学時代はサイクリング部で自転車に没頭し、新卒で日用雑貨の卸の会社に就職。営業から人事を担当。 新卒から11年勤めた日用雑貨会社を退職する時、漠然と「介護、いいかもしれない」と思い、介護の専門学校に通う。 専門学校卒業後、ルネス二之沢のグループ会社であるパナケア真中での勤務を経て、2016年、ルネス二之沢に入社。事務次長を経て、昨年の6月事務長に着任。
従来型とユニット型を併設している介護施設は県内でもめずらしい。
二之沢病院を母体とし、施設単体でも100床の床数、群馬県内トップクラスの規模を誇る「ルネス二之沢」。
入居者ひとりひとりに合わせたケアをおこなっているだけでなく、働く職員にとっても働き方の選択肢の持たせられる環境づくりにも力を入れている介護施設です。
今回はそんなルネス二之沢の事務長・有恵和彦さんにお話を伺いました!
日用雑貨を扱う会社を退職し、介護の専門学校へ通った30代。
Q.まずはじめに、有恵さんのこれまでのご経歴を伺えますか?
出身は北海道です。20歳まで北海道に暮らしていました。
そこから群馬県高崎市の大学に進学しました。
Q.なぜ北海道から群馬に?
僕が進学した大学は、北海道でも入試が受けられたんですよ。札幌に試験場があって。
北海道以外にも日本全国に試験場があることもあり、全国から人が集まってくる面白い大学でした。
Q.道内での進学は考えなかったのですか?
もちろん考えました。
ただ、いろいろな情報に触れる中で、高崎は物価が安いとかね(笑)
暮らしやすいという話を聞いて、高崎の大学に進学することにしました。
ー決め手は暮らしやすさだったんですね!
Q.大学時代はどのように過ごされていたんでしょう?
大学は自転車ですね!勧誘がきっかけでサイクリング部に入って。
名前はカジュアルな感じなんですけど、結構体育会系の、自転車に荷物を積んで峠を越えて合宿をはったりするような部活でした。
夏だと4泊5日の合宿で、1日70キロくらい走っていましたね。
大学から上毛三山まで、総距離171キロを1日で走破するというイベントも年に1回の名物でした。
大学時代の部活を通して、お酒の飲み方や、人付き合いを身につけたとも感じています。
Q.そんな体育会系の環境で大学時代を過ごされた有恵さんですが、その後、社会人としてはどのように過ごされてきたのでしょう?
新卒では日用雑貨の卸の会社に就職しました。
トイレットペーパーや歯磨き粉だったり、そういう製品を扱っていました。
そもそもその会社には、当時の人事の方に憧れて入社したんですよ。
自分もこんな人になりたいなと思って。入社6年目には営業から人事部に配属になりました。
最終的に新卒から11年間勤めました。
Q.その会社を退職されて、転職されるきっかけってなんだったんですか?
転勤が多い会社だったということもあって、自分の中で限界を迎えて。
このままここにいてどうなるんだろう…という不安もありました。
その時漠然と「介護、いいかもしれない」と思い、介護の専門学校に通うことにしたんです。
でも、介護の学校を出て転職活動を始めると、なかなか介護職では採用してもらえなくて。
結局、ルネス二之沢のグループ会社であるパナケア真中の福祉用具を扱う部署で働くことになり、13年間勤務しました。
ーなるほど。そこから現在のルネス二之沢さんでのお仕事に繋がるんですね。

施設規模は県内トップクラス!マンツーマンのケア体制で利用者に寄り添う。
Q.有恵さんの役割、事務長としてのお仕事について聞かせてください。
事務長としての仕事は、施設長をサポートするという役割が大きいですね。
人・物・お金、全てを扱い管理する、責任ある立場だと思っています。
人で言えば雇用、物で言うと施設設備の修繕や購入、お金のところでは資産管理ということも含めて管理していますね。
Q.現在様々な介護施設がある中で、有恵さんが思うルネス二之沢の魅力ってどんなところだと感じていますか?
これは直接的に魅力といえるかはわからないんですが、
群馬県内の最高齢(111歳)の利用者さんがルネス二之沢に入居されています。
昨年には群馬県内の最高齢者として、群馬県知事や高崎市長からの表彰も受けた方で、現在もとてもお元気でいらっしゃいます。
これはとても嬉しいことですね。
あと、先日当施設を志望してくださった方の中に、ルネス二之沢が二之沢病院を母体とする施設であることに安心感を持ったという方がいらっしゃいました。
母体に病院があることで、企業グループ全体の規模に信頼を寄せてくださったのかなと感じています。
ルネス二之沢という施設単体でみても100床規模の介護施設ですから、群馬県内の施設規模としてはトップクラスの規模を誇る施設です。
この辺りも、ルネス二之沢の魅力といえると思いますね。
Q.理念として「真心を込めた思いやり」と掲げていらっしゃる中で、その理念に基づく取り組みがあれば教えてください。
利用者さんひとりひとりに対して、ケアをする専属の担当職員1名が決まっています。
相部屋の利用者さんであれば、部屋ごとにグループがあり、同グループ内で担当職員以外の職員も、担当のサポートにまわることができる体制をしいています。
マンツーマンのケア体制でありながら、グループでのフォローもおこなえる環境です。
何よりも利用者さんに寄り添うことを大切にしていますね。
利用者さんのお誕生日には誕生日会を催すなど、利用者さんに楽しく過ごしてもらうためのイベントも企画しています。
施設によっては相部屋しかない施設(従来型)も多いと思うのですが、ルネス二之沢は個室(ユニット型)もご用意しています。
現在、従来型で60名、ユニット型で40名の入居者様がいらっしゃる状況です。
従来型とユニット型を併設している施設は少ないと思います。
職員にとっては、従来型からユニット型へ、またその逆も然りで、
現場の状況をみながらではありますが、職員の希望によって移動できることも魅力かと思います。
Q.従来型とユニット型、働く職員さんにとってはどのような違いがあるのでしょうか?
簡単にいうと、ユニット型の方がゆったりと仕事ができるイメージですかね。
担当の利用者さんに合わせて自分のペースでケアをしていく、その代わり、裁量が大きい分すべての責任は自分にある、というのがユニット型での業務です。
従来型は介助にスピード感が必要になることも多いかと思います、利用者さんの人数が多い分ですね。
自分の担当の利用者さんだけではなく、同じ部屋の利用者さんにも気を配ることが必要になりますが、同じ立場の職員とグループで仕事をしている分、協力して仕事を進められるのがメリットです。
ーこういった働き方を同施設内で選べるというのは、職員さんからみたルネス二之沢さんの大きな魅力ですね。
職員の働きやすさを大切に、キャリアアップも目指せる施設でありたい。
Q.ルネス二之沢で働くことで、職員の方々が得られること、メリットとしては他にどんなことがあるのでしょう?
ルネス二之沢では施設管内でデイサービスもおこなっていたり、ケアマネージャーの業務もあります。
先ほどお話しした、従来型からユニット型への移動といったことだけではなく、職種変更やキャリアアップも目指すことができます。
こういったこともルネス二之沢ならではの特徴かと思いますね。
あとは高崎市から委託を受けて、地域包括の取り組みもおこなっています。
介護予防であったり老後の相談窓口であったり、そういうものもルネス二之沢施設内に高崎市の地域包括支援センターとして設置しています。
ここに関しては、ケアマネージャーさんのキャリアアップ、選択肢を広げることにつながってくるところかと思いますね。
働き方の部分では、お休みをしっかり取っていただける制度であったり、正社員の方がパートに切り替えたいといった時にも相談を受けられる体制であったりという職場環境を整備しています。
ー働き方の自由度が高く、キャリアアップも目指せる環境は魅力的ですね。

Q.現在どんな方々が働いていらっしゃいますか?
平均年齢としては40代前半、男女比でいうと男性4:女性6といった割合です。
あと、他業種からの転職者も多く、介護職未経験で入社された方もいらっしゃいますね。
Q.現在募集されている特養での介護では、どのような業務に携わるのでしょう?
主に要介護3〜5の方のケアをお任せします。
要介護3(※)というと車椅子で自走はできるくらい、ただそこに認知症が入ってくると介護度が上がることもあります。
認知症で体が動く方は結構大変で、目を離すことができないですし、そういった方の介助もお任せしていきます。
※要介護3
自力で立ち上がることや歩くことが難しく、認知症の症状が見られる場合があるなど、食事や排泄などの身の回りのことはほぼ全てに介護が必要な状態。
入社後は座学での研修というよりは、実際に先輩職員と働きながら、お仕事を覚えていっていただくという流れです。
夜勤を任せられるようになったら、一人前ですね。
それまでには未経験の方で半年くらい、介護職経験者の方で3ヶ月くらいという印象です。
ー先輩職員さんのサポートを受けながら、業務の中でお仕事を身につけていく環境なのですね。
Q.今の職員さんはなぜルネス二之沢で働いてくれていると思いますか?
二之沢病院を母体とした介護施設であることに信頼を寄せてくださっている方が多いことも大きな要因かと思いますが、それ以外にも、
施設規模が大きいことで、多くの利用者さんとの関わりを持つことができるのも、経験を積みたい方にとってメリットかと思います。
お人柄もそうですし、身体的な状況、抱えている問題も利用者さんによって様々ですしね。
「介護士としての経験を積みたいから」という理由で、ルネス二之沢を志望してくださる方もいらっしゃいます。
職員の人数も施設規模に合わせて多くなるので、職員同士から得られる学びも経験のひとつとして蓄えられると思います。

「ひやり、はっと」が合言葉。安心して暮らし、働ける場所であるように。
Q.今後、ルネス二之沢をこんな施設にしていきたい!という展望やビジョンがあれば聞かせてください!
今やれていることももちろんあるんですけど、
利用者にとっては終の住処、生活の場所なので、安心して暮らせる施設じゃなきゃダメだと。
もちろん、そうであるように日々努力をしていますが、今よりもさらに安心して暮らせる場所にしていけたらいいなと思っています。
総じて、利用者さんに寄り添えてるかな?っていうことがいちばんですよね。
そのひとつとして、介護事故が起きないように日々意識するのは、介護施設にとって本当に大切な部分です。
事故検討(対策)会議をおこなって、「ひやり、はっと」するような場面に対しての対策を、現場と情報共有しています。
事故が起きてしまう原因に、忙しいなんていうのは通用しません。
目配り気配りを常に意識して、「ひやり、はっと」するような場面に気づくことができ、事故を未然に防げる施設でありたいと思っています。
ー「ひやり、はっと」が合言葉になり、職員さんたちの中で目配り気配りの合図になっているんですね。事故を未然に防ぐという意識の高さを感じます。
あと職員に対して、定着率の高い施設であることを目指しています。
そのためにも風通しの良い施設にしていきたくて。
報告・連絡・相談って、言葉にするのは簡単だけど、そんなにマメにやれないこともあると思うんですね。
介護業界は共通して、そういう部分に課題があると思うんです、共有に弱いというか。
ルネス二之沢は、報告・連絡・相談を気さくに、スピード感を持ってできる施設にしたいというのを思っています。
本当に地味なところですけど、月曜日に週1回の朝礼をしたり。
さすがに全職員で…というのは難しいんですが、参加できる職員を集めておこなっています。
まずは僕から伝えていくということも大切だと感じているので、施設内・職員間の風通しの良い雰囲気作りのためにも、続けていこうと思っていますね。
ーまずは有恵さんが率先して発信することで、職員の皆さんにとって発言・発信しやすい雰囲気を作っていく。職員の皆さんに対しての愛情を感じるエピーソドですね!
Q.最後に「こんな人と働きたい!」という、有恵さんがルネス二之沢に必要だと思う人物像について教えてください!
誠実で謙虚な人、人の話をしっかり聞ける人ですね。
人の話を聞くってシンプルなことなんですけど、できない人も多いんですよね。
あとは、こういう施設環境なので、チームプレーを大切にできる人というのも大事な要素です。
= 取材後記 =
日用雑貨卸の会社に11年勤めた後に、介護の専門学校に通い、介護業界で働くようになったという有恵さん。
介護への強い志を今も持ち続け、入居者さんが安心して暮らせる施設を目指すとともに、共に働く職員の皆さんの働きやすさやキャリアアップにまで気を配るお姿が、とても眩しく見えました。
優しい語り口の中に、入居者さんや職員の幸せ、ひいては日本の高齢化社会を支える、介護施設事務長の強さを垣間見ることができた今回のインタビューでした。
有恵さん、ありがとうございました!